「私には幼い頃から二つの夢があったの
ひとつは出窓のある家に住むこと
カーテン越しに差す光の中で鉢植えの花を眺められたらいいなって
残念ながら今は出窓じゃないけど
もう一つの夢は毎朝クロワッサンが食べること
これは毎朝ではないけれど時々叶ってる
こんなにおいしいパン屋さんが近所にあるから」
♪カランカラン
「いらっしゃいませ」
「おはようございます、クロワッサンくださいな」
「はい、まいどありがとうございます」
1)クロワッサンのある朝食
朝の呼び鈴が鳴る
風に鳴る自転車のベルのように
食卓を音楽が彩る
目を覚まそう
新しい未来の1ページ
夢の中からもぎ取った
三日月のパンが待っている
朝の香りが広がる
風に乗る春の野花のように
食卓を匂いが彩る
窓を開けよう
新しい光が差し込むように
白いお皿に焼きたての
クロワッサンが待っている
クロワッサンは微笑み作る朝の歌声
クロワッサンは会話を弾ます食卓の花束
新しい未来が始まるよ
夢の続きは今日の日に
クロワッサンのある朝食とともに
♪カランカラン
「いらっしゃいませ」
「こんにちは、サンドイッチにする食パン、くださいな」
いろんなものを挟んで外で食べるのは最高でしょ
作る楽しみ、食べる楽しみ
サンドイッチは誰でも楽しめるのから」
「うちのおいしい食パンさえあれば、野菜に果物、卵にハム、何を挟んでもとっても美味しいですよ!」
2)なんでもサンドイッチ
楽しいな
サンドイッチだと
広い野原に寝ころんで
雲を眺めながら
サンドイッチを食べたいな
心躍るんだよ
サンドイッチ食べるとき
色とりどりの野菜と果物
何でもサンドしてみたい
大きな口でかぶりつきたい
嬉しいな
サンドイッチだと
食パンをテーブルに並べて
庭の光を眺めながら
サンドイッチを作りたいな
心弾むんだよ
サンドイッチ作るとき
ハムや卵やチーズやサラダ
何でもサンドしてみよう
たくさんサンドしてみよう
♪カランカラン
「いらっしゃいませ」
「おじさん、アンパンください」
「はい、アンパンね。」
「いや、クリームパンにする」
「クリームパン?」
「やっぱりメロンパン」
「メロンパン?」
「あの…」
「なんなら、新作デニッシュもあるけど?」
「やっぱり、アンパン一つ」
「はいはい。でもどうしたの?憂鬱な顔して」
「うん、ちょっとした喧嘩。大したことないけど」
「大したことないならいいけど」
「ブランコ乗って食べる」
「そう、とんびにとられないようにね」
「うん、ありがとう。」
3)あんパン食べよう
ブランコ漕ぎながら
あの子のこと考えてたら
急にパンが食べたくなったんだ
ああ、喧嘩をしてもお腹は空くんだね
あんパン食べよう
家に帰ったら
ああ、お腹がなってるよ
きつねいろのまる顔に
こし餡にはひなげしの実
粒あんには黒いゴマ
ときに桜もほんのり香る
お腹の虫が待ってるよ
ああ、あんパン食べたい
公園のベンチに座って
明日のこと考えてたら
急にパンが食べたくなったんだ
ああ、溜息ついてもお腹は空くんだね
あんパン食べよう
家に帰ったら
ああ、お腹がなってるよ
ふくろ破れば良い香り
大きな口でほおばると
待ってた通りの味がする
少し喉が渇くけど
小腹はこれで満足するのさ
ああ、あんパン食べたい
あんパン食べたい
♪カランカラン
「いらっしゃいませ」
「パン屋のおじさん、パンはいつからあるの?」
「え、パンはいつからあるって?」
「江戸時代?原始時代?」
「そうだね、実は、世界的にみるととっても古いんだよ。
少なくともピラミッドを作った時期にはもうパンがあったらしいのでね」
「へえ、そんなに古いの」
「そうだよ。ピラミッドを作っていた人たちは、仕事が終わったらパンとビールを配られていたっていう記録があるんだよ」
「へえ」
4)パンはいつから〜エジプトパン
昔々のそのまた昔
ピラミッドを作っていたエジプトの人たちは
ビールとパンを食べていた
大きな石を運んだご褒美に
小麦で作ったパンを
食べてたんだって
それからかれこれ数千年
僕らはパンを食べている
歴史はパンで回っている
僕らはパンで学んでる
昔々のそのまた昔
ラクダで旅したアラビアの人たちは
ひき肉とパンを食べていた
ラクダと日陰で休みながらね
小麦で作ったパンを
食べてたんだって
それからかれこれ数千年
僕らはパンを食べている
地球はパンで回っている
僕らはパンの旅をする
昔々のそのまた昔
伊達で陽気なイタリア人は
パンとチーズをを食べていた
ワインを飲みながら
小麦で作ったパンを
食べてたんだって
それからかれこれ数千年
僕らはパンを食べている
日々はパンで回っている
僕らはパンで夢をみる
「それで、おじさんはどうしてパン屋さんになったの?」
「パンが好きだったからね」
「好き、だけじゃないでしょ」
「そうだね。実はおじさんはね、ある人にどうしても焼きたてのパンを食べてもらいたくってね」
♪カランカラン
おや、お客さんですね。
「いらっしゃいませ」
「おじさん!パンはどうやって作るの?なんか菌を入れるって聞いたけど」
「それはイースト菌だね」
「発酵させるの?」
「そうだよ、よく知ってるね。パンを作るのになくてはならないものは 小麦粉、イースト、塩、水 の4つ。 これに味と風味を良くするために、砂糖、油脂、乳製品なんかを加えるんだよ。イースト菌というのは微生物。
そうです。地球上には沢山の目に見えない微生物がすんでいます。パンをふくらませる働きをするイースト菌もそのひとつです。イースト菌が活躍すると発酵によって生地に閉じ込められたガスが生まれ、生地をふくらませます。イースト菌が増えれば増えるほどガスが出てふくらむのですよ。
5)菌は菌でもイースト菌
パンはどうして出来るのかな
どんなふうに作るのかな?
目立たぬヒーローしってるかい?
イースト菌を知ってるかい
なくてはならないイースト菌
菌は菌でもばい菌なんかじゃないんだよ
自分は主役にならなくても
誰かと誰かを結び付け
ぐっと変身させるんだ
こんなに役に立つなんて思わなかった
魔法のように
あの子の心を膨らませられるんだ
パンはどうして出来るのかな
どんなふうに作るのかな?
目立たぬヒーロー知ってるかい?
イースト菌を知ってるかい
なくてはならないイースト菌
菌は菌でもばい菌なんかじゃないんだよ
一人でいても無力だけれど
誰かのことをじっと見つめ
ぐっと変身させるんだ
こんなに役に立つなんて思わなかった
魔法のように
あの子の頬を明るく出来るんだ
♪カランカラン
おや、またお客さんですね
「いらっしゃいませ」
「おじさんイートインできるかな?
クロックムッシュを食べたくて。
お昼を食べ損ねたからね。もう、やってられないよ。
「はいはい、できますよ。でもどうしたんです?」
「どうもこうも、仕事でね、嫌なことだらけだよ
だからひとまずクロックムッシュ!
腹が減っては腹も立つってもんだからね」
伝統的なクロックムッシュはフライパンにバターをひいて、パンをトーストし、そこにベシャメルソースなどを塗ります。レシピにはいろんなバリエーションがありますが、ハムとチーズを使うものが一般的ですね。言葉の意味は「かりっとした紳士」、一説では食べるときに音がして上品ではないので男性専用とされたそうですね。でも、今はだれでもクロックムッシュ!
6)クロックムッシュ!
トゥルットゥットゥットゥットゥールンルルンルル
日曜日だって
心が晴れなきゃつまらない
心が晴れれば仕事だって楽しめる
トゥルットゥットゥットゥットゥールンルルンルル
晴れた日だって
一人でいるのはつまらない
二人ですごせりゃ雨の日だって楽しめる
クロックムッシュは
リッチな時間
子どもには早い大人の時間ってあるものさ
でもカリカリしちゃいけないな
せっかくの時間
ゆっくり楽しまなくてはね
クロックムッシュは
特別な時間
一人で優雅に過ごしたい時間ってあるものさ
でもカリカリしちゃいけないな
すきっ腹じゃ始まらない
まずは腹ごしらえ
トゥルットゥットゥットゥットゥールンルルンルル
お金があっても
希望がなけりゃ意味がない
希望があれば財布は空でも楽しめる
楽しもうぜ
人生を
Smile and some Money(スマイルアンドサムマネー)
そして毎日パンがありゃー
それで十分
世界は楽しめるのさ
7)パン屋さんの匂いでしょ
それは
春風に乗ってやってくる
甘くて軽くて香ばしい
蕾がほどけるときのような
嬉しい匂い
パン屋さんの匂いでしょ
パン屋さんの匂いでしょ
それは
朝の音に紛れてやってくる
ほんのりしっとり香ばしい
扉開くときのような
嬉しい匂い
パン屋さんの匂いでしょ
パン屋さんの匂いでしょ
あったよね
自転車漕いで坂を上がったところに
パン屋さんがあったよね
あったよね
手を繋いだ帰り道角を曲がったところに
パン屋さんがあったよね
思い出はパン屋さんの匂いとともに蘇る
夢はパンのように膨らんでくる
やさしさはパン屋さんの匂いとともに広がってくる
明日はパンのようにやわらかだ
特別なことではないけれど
夕焼け空のように美しい
わざわざ話すことではないけれど
挨拶のように気持ち良い
当たり前すぎて忘れていたのだけど
掛け替えのない日常の時間
私と何かを繋ぐもの
それは例えば
パン屋さんの匂いでしょ?
パン屋さんの匂いでしょ
アンコール) パンのマーチ
パン パン
パパン パンパン パ(パンパカパンパンパーン)
パンパンパンパン
あんパン、ジャムパン、カレーパン
クリームパンにコッペパン
大きなまるいメロンパン
お日様になって昇っていく
食パン一斤家になれ!
パン粉はみんな雪になれ!
僕らはいつも大きな笑顔で
パンを食べる
パンパンパパンとパン食べる
たまごサンドにカツサンド
フルーツサンドにクロワッサン
ホロホロ崩れるデニッシュパンは
木の葉になって風を舞う
テーブルロールは雲になれ!
フランスパンは船になれ!
僕らはいつも大きな笑顔で
パンを食べる
パンパンパパンとパン食べる
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