十二月
十二月の幸福は
穏やかで
朗らかで
気づきにくい近さに潜む
それはまた
ささやかであればあるほど美しい
クリスマスの色とりどりの灯りの中に
商店街の賑わいの中に
小さな首に巻きつけられたマフラーの毛糸の隙間にさえ
幸福は息づき
それは必ずいつか見た風景を想起させる
それは大人が子供のときに味わい
子供が大人になったときに噛み締めるあの気持ちだ
十二月の幸福は
降り始めの雪のような気づきにくさで
私たちに近づき
環のように繋がり結ばれている
その先に少しの未来を予感させながら
2011.5.16