言葉のメモワール

雷鳴


突然の雷鳴に石畳の街が慄いたとき
私は街角のカフェにいた
窓ガラスを打ち付ける雨と
轟く雷鳴を交互に聞きながら
慌しく小走りする街の様子を見ていた

ある夏の夕暮れ
シェリー酒をグラスに注ぎ
何もない時間を埋めていた

突然の雷鳴に逃げ惑う町のざわめきに
遠い眼差しを送りながら
それをどこか遠く離れた街の風景のように感じながら










2011.5.16

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