もしも、私たちの心から心へと飛び交う天使がいるならば、さびしさとやさしさを
両翼にして羽ばたいているのかもしれません。きっとさびしさを知っている人が
ほんとうのやさしさを知っている人で、やさしい人はきっとどこかにさびしさを
かかえている人なのですね。・・・私たちは、さびしいからだれかを思い出し、だれかの
ことを心に浮かべます。「思い、思われること」によって目には見えないつながりが
私たちの世界をとり結んでいるように思います。まるで天使が羽ばたいてさびしい
人とやさしい人との気持ちを結んでくれているかのように・・・。
さて、北川昇さんに曲にしていただいた詩は、歌になることを想定して書いた歌詞では
なく、私の心の中からあぶくのように湧き出てきたものばかりです。そのあぶくに
作曲家が命を吹き込み、歌い手が躍動や色彩を与えてくれました。このたび出版となり、
より多くの人々に歌われること、その歌声が聞き手の心にぬくもりとともに伝わる
ことを楽しみに思っています。
あぶくをはくゆめみるさかな みなづきみのり