私は空に手を触れる

朝焼けの空に


朝焼けに一羽の鳥が羽ばたいた
それは僕らのまなざしのようだった

未来に向かって
どこまでも飛んでいく
透明な僕らのまなざしのようだった

ああ
この空を誰が見つけたのだろう
ああ
この夜明は誰のために広がっているのだろう

億万年の悲しみを吸い上げ
繰り返される日々を見下ろしてきた空

数多(あまた)の憧れを宿し
遥かなる道を差し示す空

空は
見上げる者にのみ開かれた未来だ

僕らは
朝焼けの翼を追った
雲のように形を変える光を見つめた
彼方の空に
歩むべき方向を真っ直ぐに見据えながら

未来が
脈動のようにして
僕らの中にある

僕らはそのことを信じた
この朝焼けの空に



2015.3
作曲:なかにしあかね   2014
Copyright©Minazuki.Minori All rights reserved