私は空に手を触れる

帆を上げよ、高く


始まりがいつだったのか
誰も知らない
最初に手にしたものが何であったか
誰にも分からない
今がどのあたりなのか
どこに向かうのか
答えられる者など誰もいない

一滴の涙が海になるのではない
一人の冒険者が歴史になるのではない
我らは今 目の前にある帆柱を見上げる
その意味と向き合いながら
遥かに繋がっていく命の証として

波の音が聞こえる
繰り返される問いかけのように

潮の香りがする
岸壁に砕け散り
覚悟を促すように

時が来たのだ
今、出航(ふなで)の合図が聞こえる
帆を上げよ
帆を上げよ
高く

故郷を離れ
齧りかけた果実を投げ捨て
海原を越えて行け
荒波を越えて行け
風を受けろ
嵐を耐えろ
飛沫を浴びろ

志高い青年よ
二十歳(はたち)の海を越えよ
風に帆を張り
鼓動をエネルギーとしながら

心の中にいる永遠の青年よ
額を高く上げて進め
彼方からの曙光を全身に浴びるのだ

Go, go,go in Peace
Be Strong
A Mysterious Hand will guide you

憧憬(あこがれ)を夢とはためかせ

さあ、熱く生きよ
我ら
海を越えて明日(あした)に生きよ




2014.10
作曲:信長貴富 「帆を上げよ、高く」2014
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