私は空に手を触れる

祝福 「訪れ」に改訂


春の光に照らされて
梨の花びらが一枚舞い落ちた
何かを知らせるように
私の肩に

それは
真綿のように白く
瞳のようにやさしかった

風と陽とがうなづきあったのだろうか
木と花びらが示し合わせたのだろうか

私は
花びらを風に戻し
空を見上げた

木漏れ日がやさしい
時の流れはやわらかい

私は
舞台に上がった歌手のように
透き通った声で歌った

そよ風が心地良い
雲の流れは緩やかだ

何かがときめき
誰かが私の背中を押している

いま、第二楽章が始まったのだ
私の人生の新しい楽章が

いま、美しい音色で響き始めているのだ
私を祝福するようにして


2012.8.29
作曲:相澤直人  風にのれ、僕らよ 2012
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