からだのおと


「ロックンロール!」
と骨が言う

踊り狂うぜ
叫びまくるぜ
ステップ踏むぜ
と骨が笑う

肉には意志がない
好き勝手にぶよぶよしてるだけさ
骨には意志がある
軟(やわ)じゃないんだ

骨が全力で走っている
骨が高く飛んでいる
骨が力いっぱい泳いでいる
波を掻き分けて

骨がピアノを弾き
骨がリズムを刻み
骨がダンスを踊るのさ

「グッバイ、あばよー」
と骨が言う

夕日にだって焼けはしない
荒波にだって砕けやしない
砂利や泥と同じように
俺たちはこの地球そのものになるのさ
肉は溶けてなくなるだけだが
骨はいつまでも残る
宇宙に浮かんでるのは骨なのさ

骨が雄叫びをあげる
自由と解放を求めて
正当な評価を求めて

骨が呻く
おい、知っていたか、骨がぶつかる音が風になるって
悲しい音さ

骨が叫ぶ
おい、知っていたか、骨が歌って大地が震えるって
悔しい身震いさ

骨が語る
おい、知っていたか、骨も夢をみるって
そうさ、星のまたたきがそれさ






2014.12
作曲:森山至貴 2015
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