この世界の中で 「私を包むもの」改訂

寂しい時には
海の音を聞こう
押し寄せる波の音を、貝殻の音を
思い出が私を温める
私は月夜に眠る魚のように
（無防備に）しなやかに、素直になるだろう

抱えきれない悩みがあったら
大地に耳を澄まそう
黙って私を支える土の声に
暗闇が私の勇気を育む
私は野に咲く薔薇のように
逞しく、強く、美しくなるだろう

悲しい時には
木の音を聞こう
木が吸い上げる水の音を
木陰を作り命を守るもの
私は葉に抱かれ
蕾のようにやさしくなる

道に迷ったら
空の音を聞こう
夢 膨らませる雲の音を
見上げた空に道はなく
果てしない未来だけが煌めいている
私は鳥のように翼広げる

私を取り巻くもの
私を見つめるもの
私を見守るもの

この世界の中で
私は、耳をすます

私を包むもの
私を抱きしめるもの
私を待ってくれているもの

この世界の中で
私は、歌い始める
少しずつ

これから
私は誰に出会うだろう
そして
何を見つけるのだろう

このざわめきに満ちた世界の中で