夢見る魚のあぶく
by みなづきみのり

なおみ先生とたくさんの赤い頬へ


人は誰でもさびしがりやでわがままだ
人は誰でも泣き虫でつよがりだ
僕らは、私たちは
すぐ口を結び、口をとがらせ、窓から外を見ようとするんだ
相手の顔もみないで
気持ちを推し量ろうともしないで

本当はその胸に飛び込みたいのに
本当はぎゅっと抱きしめられたいのに
本当はごめんなさいと言いたいのに

でもね
いつだっただろうか
素直になれたあのとき
「おかえり」の声に安心したあの日
「おやすみ」の声に瞳閉じたあの夜
心に歌が聞こえたよ

僕らのこころには歌がある
私たちの胸には声がある
思い出と夢とのあいだ

誰かが歌い始めたら
耳を澄まそう
そして声を合わせよう
あなたは私
私はあなた
そして歌はともだち

まっすぐな声で
美しい心で
歌を歌おう
いつまでも、いつまでもね





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