ゆめおり


母は年老いて
耳が遠くなった
それでも繰り返し歌っていた
子供の頃の手まり歌を
息子に聞かせた子守唄を

母は年老いて
目がかすんだ
それでもじっと見ていた
息子からもらった葉書の文字を
胸に抱き寄せては
目を閉じて読んだ








2013.11

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