いつものうた

とけい


ときをきざむ
ときをしらせる
とけいはせかいをつかさどる
とけいはほこりたかくはたらいている

とけいがまわる
ちきゅうがまわるように

とけいがうごく
みえないものをひょうげんするために

とけいがじかんをおしえる
せかいの いま をしめすために

とけいがくるう
ときどき
こみあげてくるきもちをおさえきれずに

とけいはとまる
いのちにかぎりがあることをひとにつたえるために

ながいときがたち
とけいはまたうごきだす
せかいがよみがえる
とけいはふたたびときをきざむ

せかいはとけいではかられる

ときをきざむ
ときをしらせる

とけいはじかんのなかにみゃくをうつ

とけいはひとのためだけにはたらき
いつもひとをみつめている
ひとはとけいによってひとでありつづけるのだ

ときをきざむ
ときをしらせる

とけいはほこりたかくはたらいている




2010.4.20
作曲:北川 昇 混声合唱とピアノのための「かなうた第3集」2016

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