歌のたね

人はなぜ


人にはなぜ翼がないのだろう
大空駆ける翼が
それは
人が空を思うため
憧れと希望が育つため
憧れが空になる
願いが虹になる

人はなぜ涙を流すのだろう
頬を伝う熱い涙を
それは
人の心に海があるため
気持ちが揺れて心の海があふれてくるため
哀しみが波になる
微笑みが風になる

人はどうして不安になるのだろう
どうして良いか分からない気持ちに
それは
人が何かを探しているから
見つからない何かを
それは星のまたたきの合間に
それは瞳の裏側に
それはなかなか見つからない場所にあるから
人は誰かの手を取る
人は誰かを見つめる
寒さが温もりを求め
涙が笑顔を求め
暗がりが灯りを生みだすように

人はどうして歌を歌うのだろう
喜びの歌を
悲しみの歌を
それは
人が誰かを思うため
ともに祈り
ともに生きるため

歌は空を越え海を越え
世界を一つにする
歌は僕らの心を混ぜ合わせていく
いつまでも
どこまでも
どんな時でも



2015.8
作曲:松下 耕   2015
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