若き芸術家とのダイアローグ (全14ページ)


3  息子(B群の合唱)


父よ
逞しき筋骨の古き工房の主よ

何故に私は孤島に囚われているのか
私はこの運命を憎む
潮風を相手に話すことなどあろうか
私は内なる才気を解き放ち
私はこの島から逃れたい
海を越え
憧れの彼方へと
星の高みへと
舞い上がるのだ

才は発揮される機会があって磨かれる
この孤島では
私の言葉に耳を傾ける者はいない
黒き土
緑の草


私は偉大なる芸術家を目指し




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