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 いとんとんの夏休み 

07−18 2007.9.15

浜坂駅
私の母親の実家は兵庫県と鳥取県の県境に近い海の町「浜坂」です。京都から 山陰線で福知山を越え、城崎温泉を越え、香住を越え、有名な餘部鉄橋を渡って 辿り着く長閑な港町です。(湯村温泉までも浜坂駅からバスで30分ほどです) 子ども時代、毎年、私の夏休みの一番の楽しみは母親の実家に行き、一週間く らい泊まって真っ黒になるまで海で遊ぶことでした。(後半は必ず皮が剥け、 肌がひりひりする)

のれん 実家は浜坂駅前のうどん屋「吾妻」です。(今は叔父さんが継いでいる) 通りに面した部屋に泊めてもらっており、昔はいつも朝の5時頃から特急が到着 していたため、駅のアナウンスや列車の音に目が覚めていたものです。もう仕事 をし始めている祖父の手伝いをして褒めてもらい、朝ご飯もそうそうに誰もいな い小学校の校庭なんかで遊び(何をして遊んでいたんでしょう?ともかくいっつ も全力で遊んでいました)店が混み合うまでのお昼に帰って来てきつねうどん、 海に行って帰ったらカキ氷、夕暮れには毎日のように祖母にたらいに水を張って もらい行水をしたり、井戸水で冷やしたスイカを海に持っていってスイカ割りを していました。
日本の原風景とも言えるような典型的な夏休みを過ごしていたものです。

かき氷
母親はスポーツが得意で海の町の出身のくせに全く泳げず、父親は仕事が忙しい はずなのに合間にふと現れては、一緒に海で泳ぎ、銛で蛸を突いて取ってきたり したことすらありました。夏休みというと必ず浜坂を中心にして親しい人たちの 思い出が甦ります。

高校生の頃から足が遠のき、時々帰るくらいでしばらく遠ざかっていたのですが、 最近また夏には毎年浜坂に立ち寄るようにしています。ただ、浜坂の町そのもの が見る影もないほど昔の活気がなく、地方行政の難しさを実感します。
山陰線の特急が城崎で止まってしまったことは致命的だったと思いますが、安易 に海岸沿いに車道を作ったり、よく分からない海辺の小さな水族館的施設(もう 閉鎖されていた)を作ったりしてしまったことも町の陳腐化に拍車を掛けたよう に思います。
子どもが安心して泳げる遠浅できれいな砂浜だけで十分な資源なのに・・・、日本一 の松葉蟹やホタル烏賊・・・海産物や海を見渡せる山だけでも十分なのに・・・、特に さほど美しいとも思えない関東の海が数万人の出足でごった返していることを思 えば、この海の町が寂れてしまっていることはもったいない話だなあと思ったり しました。

海1 海2

浜坂近郊には子ども連れで楽しめる遠浅の広い海岸がいくつもあります。夕方に 戻ればそのまま湯村行きのバスに乗って湯村温泉に行って宿泊することも出来ます。 あまりに有名になりすぎても困りものですが、しっかりプロデュースしたら大満足 のお勧めコースになるのになあと思ったりしているのです。(ぜひ、皆さん来年の 夏ご予定されては?)

ともかく私は、日本海を見るとほっとするのですよね。
(合唱関係ですが、山口経由で浜田に行ったのですが、車中からみた日本海も本当 に美しかったです。)

夏休み報告その1でした。

いとんとん
P.S
タイトルは侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の映画タイトルにかけてます。
(で、いとんとんというのはみやこキッズメンバーでの私の呼称。ちなみに、某有名 児童合唱団では私は「のびた君」ということになっているようです。)

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