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 全日本合唱コンクール終了(「なにわコラリアーズ」ほか)

07−21 2007.11.16

コンクールパンフ 今年も無事コンクールシーズンが終わりました。
幸せなことにこの9年間連続して全国大会に出場させてもらっています。
だいたい本番の2週間前くらいから極度にストレスがアップしてきて、本番が終 わると本当に何事も無かったかのようにほっとするのですが、結果云々というこ とではなしに、例えばメンバーが揃うのか(男声合唱の場合非常に深刻)、リハ ーサルがないので動きを含めしっかり演奏することが出来るのか・・・メンバー含め 自分自身の体調管理しないといけない(深夜に及ぶ残業や心配ごとを整理してお かないといけない、深酒出来ない、風邪ひかないように)とか・・・、「当たり前の こと」が最大の問題になります。自分たちの実力を発揮出来たならば、その後の 評価には拘泥するものではありませんが、客観的な評価が出るものの前ではしっ かり自分たちをアピールしたいという気持ちはある訳で、集団が万全の状態で歌 えるように・・・という自分一人ではどうしようもない思いが「もどかしさ」とも 「ストレス」とも言えるのかもしれません。

さて、今回は2年ぶりに3団体での出場でした。
50年ぶり出場の「同志社グリークラブ」がコンクール出場した経緯については 別に譲りますが、もともと「まだまだ力不足」でホールを鳴らせる発声+アンサ ンブル能力には至っていませんので、(私の導き方にはまだまだ努力が不足して いたと思いますが)学生の頑張りとしては銀賞という結果は大変立派で、「良く 頑張った」と言ってやりたいと思っています。「アンサンブルVine」という 合唱団は「コンクールでいかに楽しそうに歌うか」ということに最大のウェイト を置いているため、主力メンバーがだいたい揃っていた今年に関しては、わりと 気楽に歌うことが出来たように思います。ただ、現実問題としては仕方ないので すが、Aグループのコンクールを大ホールで行なうことには私は反対です。Bグ ループとは趣向の違う演奏方法やアプローチが評価されるほうが良いと思うから です。東京文化会館のような大きなホールで演奏が出来ることは大変嬉しくあり がたいことではありますが、音楽の方向性や多様性を考えた時にはAグループの 諸団体にとっては非常に扱い難いホールだったのではないでしょうか?

「なにわコラリアーズ」ですが、きっと曲の良さから、文部科学大臣賞までいた だくことになってしまいました。もっとも今年は久しぶりに関西からの出場でも ありましたし、メンバーも覚悟を決めて反復練習を重ねてくれました。音楽的に 実りがあるか豊かであるかという物差しとは別の物差しとして、「一生懸命頑張 ることで出来ないことを克服していく」という構図に徹したことは、結果として 我々の至らなさを明らかにし、努力する気持ちの大切さと喜びをしっかり思い出 させてくれました。
結果に関しては拘泥しないのですが、私は意味も無くシンメトリックなものや形 の整ったものに憧れる傾向があって、(自分でもおかしいのですが・・・)、「ちょ うどきっちり」とか「自分勝手な理由をつけて型に嵌めること」が好きなので、 下記のように整理されたことは私の美意識を喜ばせてくれました。

広島大会:□大波の魔術(トルミス)
札幌大会:□ベアタノービス/島の火(北欧)
福島大会:■暁の風(北欧)

滋賀大会:□海に寄せる(西欧)
三重大会:□スロバキアンソング(東欧)
愛媛大会:■海の歌(トルミス)

新潟大会:□マリアの国のバラード(トルミス)/偽ヨイク<楽しい歌と動き>
熊本大会:□エストニアの未来(トルミス)/冬山のヨイク<楽しい歌と動き>
東京大会:■鉄への呪い(トルミス)<恐い動き>

■が文部科学大臣賞ですので、偶然の結果、非常に美しく並んでいます。(選曲 は3年単位に一つの傾向に括られており、そこに偶然にも「文部科学大臣賞」と いう結果がついていきています。全国大会は9支部の持ち回りなので全支部で歌 わせてもらったことになります。)
「なにコラ」のような合唱団はドミソもハモらないのに間違っても「頂点」とか 「コンクールを卒業」などという言葉を使うつもりは全くありません。もっとも っと上手にならないといけませんし、そのためにコンクールを利用することはと ても有効なことです。
ただ、前回の東京行きを逃し、広島で全国大会への初出場を果たしてから、メン バーとの大きな夢として全国9支部を回ることが出来たら最後は東京(そして私 は30代を終え40代に)というのがありましたので、9年間連続でコンクール に出場させてもらい、当初からの目標がひと区切りついたということは言えます。 コンクールの出場も含めて今後の展開については落ち着いてから団員と相談をす ることになるでしょう。

・・・「児童合唱は出てきただけで喜ばれる」「男声合唱は大きな声を出せば喜ば れる」というのが私の自論です。男声合唱ならではの魅力をより多くの人に伝え るための活動を展開していきたいと思います。ともかく全国各地ジョイント相手 +演奏機会募集!って感じでしょうか。

P.s
panda 上野の東京文化会館は、私の同志社グリークラブ時代の一番の思い出=4回生時 の「東西四大学合唱演奏会」の舞台となったホールです。
あの四連の同期であり、「なにコラ創設メンバー」でもある3名が本当に忙しい 中を暗譜してオンステしてくれました。彼らと一緒の舞台に立てたことは私にと ってかけがえのない思い出となりました。

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