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 今年も名古屋にて始動!

12−04 2012.4.5

すっかり名古屋での活動が身に染み込んできましたが、実は新幹線を使う と京都から名古屋駅までは36分。例えば京都から奈良に行くよりも短い 時間ということになりますし、大阪の南のほうに行くよりも物理的時間 はかからないということでもあります。もちろん経験したら怖い「乗り 過ごし(京都からだと名古屋の次の駅は新横浜なので)」や、経験した ことのある「逆方向への乗車(京都に帰るつもりが、気づくと熱海の方 だったときのショック)」ということにならないように気をつけなけれ ばならないのですが。この冬から春に名古屋での活動が3連続しました ので、紹介いたします。

1)合唱団「うぃろう」演奏会

名古屋の若い合唱団「うぃろう」は第3回目のコンサートを迎えました。
合唱団「うぃろう」は「名古屋から新しい合唱文化の発信を!」と意気 込んで結成された新しい合唱団です。大学卒業したてくらいの若い人が 多く、転勤や結婚でなかなか運営が難しくなるタイミングではあります が、よく頑張って活動してくれています。2月12日には第3回目の演 奏会が「しらかわホール」であり、信長先生の未出版の新作「銀河鉄道 の夜」に取り組むことになりました。
また、私の指揮する団体では珍しくはないことですが「アラカルト・ス テージ」があり、今年は緩やかに「春」をテーマにした選曲をしてみま した。そこでの一つの目玉として、瑞慶覧尚子先生に「チャンスは必ず ある」という楽しい楽しい曲を作ってもらいました。「必ず春が巡って くるように、チャンスは必ずある」と歌います。元気がでること間違い なしの楽しい小品です。第1回目の演奏会に松波千映子先生に「どこま でいけば」という小品を作ってもらい、第2回目の演奏会では、その松 波先生に組曲「私が私に出会うとき」を委嘱初演しました。第3回目の 演奏会では瑞慶覧先生には小品を作ってもらいましたので、次回第4回 の演奏会では、合唱組曲を委嘱初演する予定です。ぜひ、合唱団「うぃ ろう」に注目いただき、演奏会までお運びくださいね。
来年の演奏会は2月17日です。

P.s
昨年、松波千映子先生に委嘱した「私が私に出会うとき」がカワイ出版 から出版されました。ぜひ若い人たちに演奏してほしい爽やかな組曲です。 (→私が私に出会うとき


2)名古屋大学コールグランツェ演奏会

去年のグランツェには本当に驚かされました。強豪揃いのコンクール 中部大会を突破しただけでなく、全日本合唱コンクールではいきなり の金賞を受賞してしまいました。数年前には30人程度だった合唱団 が今や100名というバイタリティにも驚きですが、思い切ったチャ レンジ精神で、委嘱活動や新作初演等の大胆な取り組みが行なわれて いることもきっと良いエネルギーを生み出しているのでしょう。
昨年の定期演奏会では「天使のいる構図」の混声版を委嘱初演したば かりですが、今年は様々な好条件が重なり、信長先生の新組曲「等圧 線」を初演させてもらうことにもなりました。演奏会会場は大学の講 堂のようなホールでしたが、作曲の信長先生にも作詩の覚和歌子先生 にも初演を見守っていただき、熱の入った演奏をすることが出来ました。
大学は遭遇の場です。さまざまな音楽や詩やその背景にある世界観や 価値観を広げていくこと、想像力を養っていくこと、そしてそれを (ぶつかったり汗を流したりしながら)たくさんの仲間と分かち合っ ていくことが最大の魅力だと思います。最近のグランツェらしさはこ のチャレンジ精神から来ているのでしょう。今後ますます大きな活動 を展開していって欲しいと思います。来年は千原英喜先生に委嘱をし ています。初演にあたる演奏会は2月23日(土)愛知芸術文化セン ターですので、ぜひ来てくださいね。

チョコプレート
巾着袋表巾着袋裏懐中時計

3)オール新作コンサート

3月4日には「しらかわホール」で「The Premiere〜真夏のオール新 作初演コンサート2〜」を開催いたしました。この画期的な試みの第1 弾は2年前の夏に、大阪の「いずみホール」を舞台として開催されま した(→第1弾)。そこでは、曲を作 った作曲家だけでなく、出版社(カワイ出版とのコラボレーション企 画となります)、舞台の演奏者、そして客席、が1つになって新しい 曲の誕生の喜び合い、新鮮な驚きと大きな感動に包まれたのでした。 味をしめての第2弾!という訳です。今回は舞台を動かして名古屋で の開催となりましたが、堅田優衣、橋本剛、横山智昭、山下祐加、 という4人の若手作曲家に委嘱をし、それを合唱団「ノース・エコー」 (長谷順二)、「なにわコラリアーズ」(伊東恵司)、「うた・ふぐ るま」(雨森文也)、「Vocal Ensemble《EST》」(向井正雄)が演 奏しました。
…「若手にチャンスを与える」「個性を発揮しつつ複数の合唱団が真 剣に演奏する」そして、「出版され、他の合唱団にも広がっていく」 という、連鎖や広がりを意識した点がこの企画のポイントでしょうか。
当日の演奏会は、事前に一部でチケット回収する等、ご迷惑をかける ことにもなってしまいましたが、会場には4名の作曲家が客席に並び (他に豪華ゲストもあり)、ロビーでは楽譜の即売もあり、…作曲家 に話しかける人もいる一方で、早速即売された楽譜に目を通す人がい るなど、ある意味新曲誕生に様々な形で「聴衆が関わり参加している ようなスタイル」の演奏会となりました。このことにより、作曲家と 合唱団という組み合わせだけでなく、ステージと観客席、聴衆と作曲 家…、というさまざまな対話が会場で展開されていたように思います。
雨男(私)の本領を発揮した雨の日の演奏会でしたが、ホール中に新 しい音楽(春)の息吹が感じられ、それを「みんなで喜び合っている かのような」幸せな時間が持てました。

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