階段を駆け下りてきたお前は太陽に手を伸ばした
昼間の風がお前の頬を撫で
昼間の光がお前を輝かせた
しかし、水平線に向かう午後の陽を見て
お前は急に駆けだしたのだ
繰り返す波の向こうに何があるのか
お前は知りたがっている
遥かな時の向こうに誰がいるのか
お前は知りたがっている
沈もうとする太陽に手を伸ばし
お前は
このひと時を止めようとしているのだ
一瞬を永遠にしようと
打ち水をした石畳が海の煌めきをうつす
子供らの声が空にこだまする
凪が時を編む
太陽の色が赤いのは
お前が命を与える約束をしたからだ
お前のその心臓の色を輝かせているからだ
行く手に何があったとしても
お前は夕日との約束を果たすために明日を生きるだろう
さあ
お前よ
力強く歩め
あの夏の太陽を見つめ
遥かな時の対岸を目指して
力強く明日を生きよ
作曲:石若雅弥 「明日を拓くもの」