校舎

校舎には誰もいなかった
折れたチョークが息を潜ませ
時間(とき)はそのまま埃となって堆積していた

壊れた蛇口
消えない落書き
がらんとした廊下
靴音が影を追いかけるようにこだまする

長すぎる夏休みが
傷跡の疼きのように横たわっている