あなたの肩に触ってみたい
骨を隠す薄い皮膚を撫で
その複雑で繊細な形を
肌の上から確かめたい
肩越しにあなたの息遣いを聴いて
心臓の音を近くで感じたい
何かをささやきながらそっと首筋に息をかけてみたい
あなたはどうするかしら?

あなたの肩に触れていたい
肩を温めてあげたい
そのなめらかな曲線の首筋から
何度も繰り返す波のようにして触れていたい
骨の熱さを感じたい
遠い海を感じたい
頬を押し付けながらずっと凭れかかっていたい
あなたはやめてくれと言うかしら?

遠い島から流れ着いた流木のような鎖骨に
私は口づけをする
再会を懐かしむように

窓から漏れる月のしずくを指に集めて
私は肩甲骨をなぞる
かつて私たちが鳥だったことを思い出しながら

夢の翼が広がる
秘密の呪文が夜を解き放つ
私はあなたの肩を撫でながら果てしない時間(とき)を見ているのだ


2014.12
作曲:森山至貴 2015