追いかけても
追いかけても
決して到達出来ない水平線のようなあなたの背中
すぐそこに見えているのに
決してたどり着けない
いつか見失ってしまうかもしれない風景
探しても
探しても
決して発見出来ない宇宙の果てのようなあなたの背中
必ず向こうにあるのに
決して掴み切れない
いつか忘れてしまうかもしれない夢、願い
最後にあなたの背中を見たのはいつ?
時の向こうに遠ざかっていく背中
思い出の中に帰っていく背中
閉じた本の背表紙のように
もう開かない扉のように
諦めとため息を塗り込めた背中
それは、真夏の海原
それは、五月(さつき)の雨
黙ったまま語り掛ける言葉の広がり
思いっきり凭れたかったのに
思いっきりぶつかりたかったのに
あなたの背中はどこ?
私は何を探しているの?
私はいつその夢の縁(へり)に触れることが出来るの?
私はあなたを発見し、その背中を抱きたいのに…
あなたの背中を思いながら
私は、無限の時を彷徨っているのだ
作曲:北川昇