春、春ってなんだか
はずかしい
まだなれなくて
嬉しいような
さびしいような
ざわざわするこの気分
ララララ
風が吹くから
僕はかけ出した
タンポポの綿毛のように
春、春ってなんだか
くやしいな
まだなれなくて
楽しいような
落ち着かないような
気持ちが渦巻きはじけあう
ララララ
鳥が飛ぶから
僕はかけ出した
自分だけの言葉を探して
学校帰りの
土手に倒れ込むと
春の光が目に染みた
かばんからは新しい教科書が飛び出している
それは宝探しの船の海図のようだった
風が吹くと
白いページがめくれた
まだ何も書いていないまっさらなノートだ
削りたての鉛筆の匂いが
若葉のにがさにまぎれていた
春が来た
日差しが何かを語っている
春が来た
風が何かを運んでいる
木々の緑が揺れている
僕はもう胸がいっぱいだ
どうしたらいいか分からない
どこに向かえばいいのだろう
何を始めればいいのだろう
ただ駆け出すばかりの昼下がり
でも
僕は歌ってる
春風に向かって歌ってる
わくわくしながら
どきどきしながら
そわそわしながら
大きな声で
いつの間にか歌ってる
春、
新しい季節が始まった
僕の前には
新しい景色が広がっている
新しい楽譜が広がっている
新しい地図が広がっている
冒険はまだまだこれからなんだ
僕らの新しい冒険は
ララララ
2013.1
作曲:大熊崇子 地球は僕らのキャンパス 2013