寒梅の歌

時を待ち
繰り返す薄い日差しの中で
蕾を膨らます花よ

その芳香(かおり)に
私は何を問うだろう

やがて
光が差し
私の頬が照らされる
風に
私の指先が乾く

耳を澄ますと
水の流れる音が聞こえる
胸の奥のほうから

それはいつか見た
春を待つ午後
歌は
あなたの耳に届いただろうか
言葉は
あなたの胸に届いただろうか

ようやく
新しい季節が始まるのだ
私の胸から


作曲:千原英喜 「友よ、君の歌を」2016