さて、身体を通して歌や言葉を表現することを目指す合唱物語は、グランツェという合唱団の音楽面を見事に大きく成長させてきてくれたとも思います。二口先生や広田先生の熱心なご指導に加え、先輩から受け継いだ精神性がこの形式を唯一無二のものにしており、合唱団のアイデンティティを形成しているのでしょう。人気作曲家である名田綾子先生には、「蛙」に引き続き、また素晴らしい曲を書いていただきました。コロナ禍においてもこのような意欲的な演奏会の企画・開催となり、情熱に満ちた歴史がしっかりと繋がっていくことを大変嬉しく思っています。
テキストについては、昨年に続いて、底本を使ってみました。哲学者でもあったメーテルリンクは物語を通して何を語ったのでしょうか。難しいですね。
私は、このように感じました。
…もう少し考え、もう少し勇気を出し、もう少し愛し、もう少し好奇心を持ち、もう少し生きる情熱を持とう。それだけで、喜びと真実の扉が私たちの前に開かれるのだから…。
どうでしょうか。
今日の演奏会が、青い鳥を探す未来への第一歩になりますように。