風よ、木よ

風よ
お前が泣いてるときには
僕が口笛を吹こう
お前が作りだした波の音を
お前が揺るがせた森の音を
メロディーにして

木よ
お前が泣いてるときには
僕が物語を語ろう
お前のすきな雲の行方を
お前のまいた種の行方を
物語にして語ろう

花よ
お前が泣いているときには
僕が言葉を探そう
やさしい言葉を
なつかしい言葉を
胸が熱くなる素敵な言葉を探そう

星よ
お前が泣いているときには
僕が夢を見よう
星座を渡る船の夢を
星を映す海原の夢を
瞳を閉じて
遥かな夢を

愛しい人よ
お前が泣いているときには
僕がお前の手を取ろう

そしてともに歌おう
心の奥にしまった思い出を
歌おう