僕らは知っている
春に咲く花の色を
風にそよぐあの木の名前を
魚たちの種類も
空飛ぶ鳥の翼の色も
僕らは知っている
雪に煙る山の高さを
煌めく海の深さを
ジェット機の速さも
巨大なタンカーの大きさも
僕らは知っている
月が満ち欠けするわけを
星座が回転するわけを
何億年も前からこの繰り返しがあることを
僕らは知っているんだ
僕らの歩んできたこの道のりを
歴史が受け継いできたものを
そして多くの物語の結末を
聴き、学び、出会い、手に取り、確かめることで
僕らは多くのことを知ることが出来るのだ
でも
僕らは知らない
分からない
僕らがどこに向かっているのかを
僕らの未来に何が待っているのかを
そして、僕らの歩く道のことを
何も知らない
誰も教えてくれはしない
僕らはいま新しい水平線を探している
新しい道を見つけようとしている
この血潮から沸き起こるリズムが
この鼓動が
この熱い頬が、手が
僕らに伝えようとしている
未来は僕の中にある
今開いたばかりの真っ白なページ
それが何かは分からないけれど
結末知らない物語
どんな出会いがあるのだろう
どんな冒険があるのだろう
知らないことだらけの新しい時間
僕らはそんな世界に向けて旅に出る
物語はこれからなんだ
僕と言う名の未来の物語は