予感

学校帰りの山道に
赤い彼岸花が咲いていた

バス停の傍には
コスモスの花を小さく群れながら揺れていた

住宅街では金木犀が香った
空には白い雲が棚引いていた

何かの予感を持ちながら家に帰ると
祖母が息を引き取っていた
長い患いから開放された
静かな寝顔のまま


2011.5.16