僕らは
手を伸ばし
手を握り締め
手を振る
懐かしい影に向かって

何かが到着し
誰かが降りてくる

どこかを通り過ぎ
何かを持って
誰かが迎えにきている

夏草の茂る駅
フォームには誰もいないのに
ベンチには忘れ物だけがある

時間が列車のように止まる
思い出の裂け目に風が吹き込んでくる