いつか

少年は空を飛んだ
夢の中で

少年は町中を眺めた
空の上から

少年は絵を描いた
雲を描き
鳥を描き
風船を描き
飛行機を描いた
夢の中で

少年は旅立った
病室の窓から
描いた飛行機に乗って
思いを残さず
「いつか、また、」
という言葉の欠片を声に残し

朝の光に静かな微笑みを浮かべて
それは6月の朝のことだった

少年は天使に出会った