さくらんぼの実る頃木の葉から漏れる光は生まれたばかりのみずみずしさを湛えていた風はまだ誰の肌にも触れなかったかのようにはにかんでいたまだ何も知らなかった頃花や果実の香りだけで十分だった頃僕らは裸のまま風に晒されていたのだ