プール

初めて一人でプールに行ったのは
小学校の高年生のときだった
家から遠いゴミ焼却場の施設の中だった
鮮やかな青
消毒液の匂い
水しぶき
近くを通る電車の音が聞こえ
日差しはコンクリートに反射していた

帰り道に夕立があった
びしょ濡れで家に駆け込んだ家では
母親が大きなタオルで私を包んでくれた
夕立のあとのせみ時雨
たらいにはったお湯
等しくきられた西瓜
どこまでが思い出でどこまでが夢なのか

私はプールサイドで遊ぶ少年を見ていた
幻のような光がプールサイドに反射していた