若き芸術家とのダイアローグ

2 (父:A群の合唱)


おお
私は気づいた
お前よ
お前は歌を歌っていたのか
竪琴に合わせ

お前は空を見ていたのか
視線の先にあるものは何か

歌うがいい
清き心とその巧みな声色で
憧れるが良い
その透明な眼球を空に向け

しかし
お前よ
お前はまだ気づいてはいまい
人が鳥になれぬことに
人が魚になれぬことに

月の満ち欠けほどにも我らに自由のないことに