かえる、雨上がり

7


蛙はやはり何かをまっていた
随分長い時間
どれくらいだろうか
自分にとっては長い時間
宇宙から見たら瞬きするのと同じくらいの時間

蛇が通りすぎていった
蛇には自分は蛙と認識されてないのかもしれないと思った
自分には姿があるのだろうかと池を眺めようとしたが
恐ろしくなってやめた
そんなことはどうでも良い
自意識があって自律的な行動があるのだから

しかし、少し覗いた水の底から誰かが見つめている気がした
目の玉を光らせ

それは自分だったのだろうか
それとも自分を見る別の誰かだったのだろうか
いや、過去の自分だったのか
未来の自分だったのか
そもそも池とは時間の沈殿した四次元の場所であるのか