さびしい魚のおはなし

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ある午後、さびしい魚はブルーの瞳の友達に再会した
唐突に
「良かった、会いたかった」
魚は叫んだ

ブルーの瞳の魚は美しく微笑んだ
それからようやく話をした
どんな話だったろうか
波のはなし、岩の話、しぶきのはなし
太陽の話、月の話、星の話
時々巻き起こる渦や嵐について

たくさんたくさん話をした
ブルーの瞳の魚は自ら話をすることはほとんどなかったが、ゆるやかに静かに美しく相槌をうった

二人は深く愛し合った
二人はたくさん一緒に泳いだ
長い時間
たくさんの夜の夢を潜り抜け
時間が過ぎた

そして、ふたたび別れがきた
さびしい魚はまた一人になった