校庭

誰も居なくなった校庭には
夕暮れの笛がなる
イングリッシュホルンのように
今日あった出来事を夕暮れの帷の中に溶かし込んでいく

寂しさと憂い
疲労と安堵
そして
誰しもが抱える小さな闇を引き受けるように
笛の音が風に流れていく


2010.12.1