終着駅

いつの間にか終着駅が迫っていた

私は気づかなかった
駅員に声をかけられたとき
眠っていた訳ではなかったのに何をしていたのか思い出せなかった
私はどこまで行くつもりだったのだろうか

列車は言い知れぬ心地よさに包まれていた
幸せな振動に揺られ
唐突に
愛した経験と
愛された経験が蘇ってきた

外は
いつの間にか星空だった


2010.12.1