銀杏並木

人は並木道を通るとき
必ず何かを思い出す

置き忘れてしまったものを
やり遂げられなかったものを
掴み損ねてしまったものを

一本道を人生にたとえ
すれ違う人に目を奪われ
追い越していく人の後ろ姿を見送りながら

銀杏の葉はもうすっかり色づき
風にイエローが舞うばかりだが


2010.12.1