ガラス窓が煙り
水滴が垂れ
ようやく私は雨が降ってきたことに気づいた

雨音が心地良すぎて
この湿度が心地良すぎて
私は窓辺でまどろんでいたのだ
雨は眠りのように忍び込む
いつの間にか時間が止まり
夢の扉だけが開いている

私は泣いてなんかいなかった
気づかなかっただけなのだ


2010.12.1