坂道

緩やかなスロープをおりる
夏の午後に
汗を拭いながら

私は道を間違ったことに気づいているのに
何かに憑かれたようにして
陽光を遮る木の枝を振り仰ぎ
スロープをおりていく
すがるような気持ちになりながらも
息をつめ、鼓動を抑え


2010.12.1