お前の窓からはあの月が見えるのだろうか
お前が愛した半分の月が
思い出を絶対的なものとして
美しく私の中に蘇らせる

不在は
お前の周到な戦略だ

そして窓は
私の思いを一つの方向へと導く

視線の方向に
手を差し伸ばす方向に
この肌色の半月の光の中で薄く微笑むお前の方向に


2010.12.1