オルゴール

思い出の小箱は
秘密の旋律を奏でる
典雅なリズムに乗せて

行儀の良い少年と
夢見る少女の出会いのように
頬を染めながら手と手が触れ合った瞬間のように
瞬きしながら見詰め合った瞬間のように

懐かしく
触れがたく
はにかんだ挨拶
でも去りがたい時間のしたたり

メヌエットのリズムで
音楽が流れる

誰も知らない
秘密が今開かれるようにして


2011.5.16