ステージに寄せて~「お菓子の好きな京都人」より

幼い頃、横浜の病院に入院していた兄からかかってきた電話で、新幹線に乗ったこと(※当時の憧れ!)と中で食べたアイスクリームがいかに美味しかったか(※当時としてはちょっと上等!)、ということを自慢されたことが悔しかった私は、後日、兄に会うために父に連れられて乗った新幹線で、念願のアイスクリームを食べ、そのことを早く伝えたいがために飛び降りた座席に荷物の一式を忘れたのでした。
…お菓子!と考えただけで思い出は尽きず、溢れるように出てきます。その全てが、「誰かと」「誰かに」「誰かの」というように、人の愛やぬくもりを感じさせるもの であることに気付きます。母がジャガイモを蒸してバターとレーズンで作ってくれた 手作りのお菓子、夜店で買ってもらった水飴や綿菓子、友達と一緒に食べた駄菓子、 デパートの地下で買ってもらったパイン飴、いやいや、自身の体験だけではなく、いつか飲みたい食べたいと憧れたピッピの飲んでいたレモネード、ローラ・インガルス がクリスマスにもらった大きなペパーミントキャンディー、アーウィン・ショウの小説に出てくるストロベリー・アイスクリーム・ソーダに至るまで、お菓子を取り巻く思い出や憧れは、夢や幻想と混ざり合って私たちの中にファンタジーの王国を作っているように思います。

さて、本日はVivoさんの演奏会で「お菓子の世界」が展開されることにわくわく しています。他愛のない拙作(菓子×歌詞〇)に対し横山先生が素晴らしい曲を付けてくださいました。きっとステージいっぱいに横山ワールドが展開されることでしょ う。いくつになっても楽しいお菓子の時間、いつでも笑顔になってしまうお菓子の世界、…客席も含めてめくるめく夢の香りが漂い、お腹一杯になることを期待しています。

みなづきみのり(そう!わたしの名前も実はお菓子で出来ているのですよね)

2017.3