あの日の風の音

雪がふるふる


雪がふるふる
天から羽根の舞うように
誰かがありったけの銀紙を空一杯に放り投げたように

雪がふるふる
雲から花びらの散るように
たんぽぽの綿毛をいっせいに風が運んでいったように

雪がふるふる
みるみるうちに
外は真っ白、雪の中

道が消え、屋根が消え、街が消え
いつのまにか
悲しみも憂いも消えていく

雪がふるふる
ふるふる微笑みが

雪の降り始めは物語の始まり

窓辺に寄り添うと
私の家も雪の中

瞳を閉じると
やがて私も夢の中



2011.5.16
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