私は空に手を触れる

流れ星の行方


流れ星の行方はどこだろう?
と、あなたが聞くので
胸の中の水平線よ
と、私は答えた
でも、それで良かったのかしら
あなたはどんな答えを期待していたんだろう
私は何を考えていたのだろう

あのとき
夏を振り返るような
少し心地よく少し怠惰な季節

雨上がりのバルコニーに観葉植物の葉が輝いていた
昨日と今日のはざま
真実と虚偽のはざま
夢と現実のはざま

胸の中では何かと何かが混ざり合い
私は何も見分けがつかなくなっていた
いつか見た映画の中の海のように
ざわめきが波となって私を飲み込んでいく…

流れ星が
美しい放物線の片りんを見せながら
水平線に落ちていった
私の心の中の水平線に



2015.3
作曲:田中達也  2015
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