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 大学の課外教育〜パネリストとして・・・(4/4)

07−03 2007.10.12

● 今後の課題、方向性

大学は今は、一部のモチベーションの高い人間だけを空いてにしているので はなく、公教育的な側面を担っているといえると思いますが、だとすれば、 個人や集団の中で人間的な成長を促すことも、社会的な使命の一つになって きていると思います。
学生支援センターとしての今後の展開としては、今のところ4つほどの課題 を持っていると考えています。

こういった学生支援センターの取り組みと「学部等での導入教育」との連携 が挙げられると思います。このことはどこからが課外でどこからが正課とい うようなことを考えるよりもさらに重要な観点かと考えます。つまりこの問 題は「大学教育とは何か」ということだけではなく、「教育とは何か」とい う問題でもあろうかと思うからです。本来こういったことは「小学校で学ん でおくべき」とか「家庭教育、地域教育の中で克服しておくべき」とか、様 々な社会状況と連動しながら解決していかないといけない問題が多く含まれ ているように思います。

そこから派生している問題とも言えますが、二つ目は、公教育的機関として の地域連携の側面でしょう。地域連携というと、総務的なセクションが主導 しがちですが、実際の地域生活者としての学生がどのように地域にコミット していき、どのような学生生活を獲得していくのかということは重要な課題 です。地域に暮らしながらも、「コンビニ」「メール」「ワンルームマンシ ョン」で自己完結しがちな学生を町に連れ出し、地域生活の中で、様々な人 と交流しながら社会性やライフスキルを獲得していくことはとても大事なこ とだと言えるでしょう。

3つ目は、ポスト学生自治組織という問題です。
現在の本学のように学園祭等、形の上では学生だけでやっているものもまだ まだしっかり残っているところもあるでしょうが、学生側に「自己財源」 「選挙」のないところに自治という発想は既に存在していません。
しかしながら、自主性を高める機構的なものを再構築出来ないか、連帯感や 責任感を獲得出来る学生同士の組織をオーガナイズ出来ないものかと考えて はおります。そこは我々自身の錯覚や誤解との戦いでもあり、「学生はやっぱ り学生だけでももっとちゃんとやってほしい」と思いすぎているのかもしれま せん。学生はまだまだ発展途上だから、やり方を教えてあげるという態度が重 要なのかもしれません。そのあたりの大学側のスタンスの確定が重要な課題に なってこようと思います。

最後にカウンセリングセンターの問題があります。
これまでの話は、大学にコミットしてくる学生の話、こちらが呼びかければ反 応しようという学生の話でした、引きこもりがちな学生をどのようにしていく のか、高校までとは違い急に匿名性の高い不特定多数の世界に飛び込むことに なる学生のうち、なかなか馴染めなかったほう側のケアをどうしていくのか・・・、 という問題があり、一年生の通う京田辺を中心に様々な啓発事業を展開しており ますが、まだまだきめ細かいとは言えず、あるいはこちらの準備よりも早く事態 が深刻化しているという状況もあり、カウンセリング窓口の充実だけでなく、小 クラス制や担任制の導入など、学部の学生対応と連動した動きが必要になってく ると感じております。

● おわりに 

いずれにしましても、学生支援的なセクションは学生紛争後の一時期リストラ対 象になりかけたセクションだと思いますが、どちらかというと今後は飛躍的にパ ワーを投入をしていかないといけない時代にさし当たっていると思います。
そのパワーというのは建物やサービスのことではなく、「熱心な職員」というマ ンパワーであると考えています。学生の状況に寄り添い、社会の状況を分析し、 大学の使命や建学の精神に基づいた学生支援というものをしていくというのは、 従来の事務職員の守備範囲を大きく超えた大変重要な職務であるとも考えています。

※2007年、某シンポジウムでの話題提供を再構成しております。

          

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