みやこ・キッズ・ハーモニー

2016


みやこ・キッズ・ハーモニー10周年記念コンサートより
ごあいさつ

ふと気付いてみれば、今の時代、子供が声を出して駆け回っているという光景にはめったにお目にかかれません。かつて路地裏や空き地で展開されていたような「遊び歌」はもちろん、 近所の子供たちを呼ぶのに「○○ちゃん、あーそーぼ」という声さえ聞くことがなくなってきました。大人の社会作りが子供から遊び場を奪っていったわけですが、この代償はあまりにも大きかったような気がしています。ましてや、わらべ歌や遊び歌は、教育課程の中に取り込ま れたりするようなものでもないので、「地域力」の中で受け継いでいくことを意識しなければ ならないのではないでしょうか。
わらべ歌や遊び歌にはいろんな役割があります。
手を繋ぐ、身体をぶつけ合う、大きい子が小さい子にルールを教える、一緒においでよと呼びかける、そろそろ帰ろうよと親が呼びに来て歌いながら手を繋いで帰る、・・・いろんな風景が浮かんできます。そして、そのいずれもが人と人とが繋がるための役割を果たしているように思えます。
みやこキッズハーモニーでは、そのような地域コミュニティの延長線上に「合唱」を位置づけ、歌を上手にするということだけを目的にするというよりは、「歌うことで心を育むこと」「歌が人生や社会に対して出来ること」を考えながら活動したいと思っておりました。
合唱の素晴らしいところは、一人では絶対に出来ないというところです。合唱とは「声を合わせること」、互いの「声を聴き合うこと」によって初めて成り立つ世界でもあります。そして、声は 「心」そのものとも言えます。様々な年齢の子供たちが、心開き、他者の心に耳を傾け、声を合わせ人間関係を取り結ぶことはとても意義のあることのように思えます。
今日は、いつもの「わらべ歌」をはじめ、頑張って練習した「世界のうた」「日本の合唱作品」を発表したいと思います。
のびのび歌う子どもたち、緊張する子どもたち、少し恥ずかし気な子どもたち…いずれも大切な個性ですね。一生懸命に歌う子どもたちを大きな拍手で応援してください。