同志社コールフリューゲル(よせて)


2017年12月~同志社コール・フリューゲル第51回定期演奏会
アポロンの竪琴について

・・・ときどきに思います。
私たちは時間(とき)の中にいるのでしょうか?
私たちの中に時間(とき)があるのでしょうか?
私たちは宇宙の中にいるのでしょうか?
私たちの中に宇宙があるのでしょうか?
見上げた満月が、瞳を閉じても心の中にくっきりと存在するように、私たちと世界とはお互い呼吸し合い、 包み包まれながら存在しているに違いないですね。
遥かな時の物語、遥かな海の物語…。
「アポロンの竪琴」は、拙作(みなづきみのりの詩)を宮沢賢治の詩と混濁させるという驚くべき手法で 描かれた千原英喜先生のファンタジックな歌物語です。音楽の力で皆様をめくるめく夢幻の世界に誘うこ とが出来ればと思います。

さて、「同志社コール・フリューゲル」ですが、20世紀の最後のほうに初めて客演指揮をさせてもらって からかれこれ20年近い歳月が流れました。須賀先生がお引きになり、新しい立場から、彼らの成長を見守る ことになりました。大学は遭遇の場です。また、「ひたむきに打ち込むことの出来る」大学時代の合唱活動 は、決してテクニックを身に着けるばかりではなく、たくさんの出会いを繰り返す場でもあると思っていま す。合唱を通して心が広がっていくこと、人間としての豊かさを得ること、信頼しあえる仲間を得ること・・・、 に大きな魅力を感じ取り、生き生きと活動して欲しいと思っています。


2018年12月~同志社コール・フリューゲル第52回定期演奏会
演奏会に寄せて

今年のフリューゲルは「学生合唱コンペティション&コンベンション」に出場し、見事金賞を受賞しました。結果に一喜一憂し過ぎる必要はないのですが、一昨年の悔しさから2年がかり(銅賞→銀賞→)で気持ちを継ぎ、努力をされたことは大変立派でした。大学生の合唱団というのは、自分達の知性と感性と体力とを総動員して大きな物事に当たっていくことが最大の魅力ですが、続けて出場される中で先輩や後輩や先生たち、他大学の仲間とも出会い、世界観や価値観を広げていかれたことでしょう。ますます意欲的活動されることを期待しています。

さて、同志社大学の合唱団として、毎年クリスマス時期に演奏会を開催しラテン語の宗教曲をレパートリーにしているフリューゲルですが、今年はクリスマスを題材にした合唱物語にチャレンジすることになりました。「合唱物語」という形式は、演技や歌唱力のハードルが高くなる合唱劇等とは少し趣を異にし、組曲として演奏出来る楽曲をナレーションとちょっとした演出や台詞の割り振りで進行していく形式です。シャイな?合唱人たちが少しずつ舞台で表現することや、歌と言葉、言葉と身体の結びつきを学ぶことで、今後の合唱活動をより魅力的なものにしていってくれればと願っております。

<さびしがりやのサンタクロース>

これはサンタクロースの363日間の様子を想像して作った物語です。サンタクロースってクリスマスが終わったらどうしているのでしょうね?実はひとりぼっちでちょっと寂しかったりして…。冬の間は暖炉でパイプの煙をくゆらせながら、子どもたちからもらった手紙を読んで過ごしているのかも…?冬が終わると、森や湖でキノコ狩りやマス釣りをしているのかも…?そして秋になると子供たちよりもがサンタさんのほうがクリスマスを待ち焦がれてそわそわしているのかも…?と考えながら私が他愛もないファンタジーを書き、「合唱団葡萄の樹」と「みやこキッズハーモニー」が世代を超えて一つのステージに立てるように松波千映子先生に合唱物語にしていただきました。今日は特別に混声合唱に編成しなおしたバージョンで歌ってみます。

みんなきっと、「ちょっとはさびしがりや」で、「サンタクロース」が大好きですからね。心に小さな灯かりがともりますように。クリスマス前のひと時を客席とともに分かち合い、祈りと喜びに満ちた時間に出来たらと思っています


2022年3月 フェアウェルコンサート


ご卒団おめでとうございます。
四年間本当にご苦労様でした。
大学合唱団の醍醐味とは、右も左も分からない状態の一年生たちが、たくさんの演奏会や組織での役職を経験して立派に成長していくことですし、私の喜びはその様子を見守れることでもあります。
近年のフリューゲルは、忙しいスケジュールの中、ジョイントコンサートを成功させ、定期演奏会でも見事な演奏を披露してくれています。フリューゲルの四年間で得たもの・・・一緒に努力した友人たち、出会った音楽や詩、ひたむきな姿勢、先輩や後輩からの声援、演奏会での温かい拍手、励ましや労いの言葉・・・、それらは大学生活の象徴として、何物にも変えがたい貴重な財産になることでしょう。
ぜひ卒業してからも今まで以上の愛情を持って後輩のことを応援してやってください。そのことは、フリューゲルの四年間がいかに大切であったかということを後輩たちにしっかり伝えることになるのだと思います。
歌と仲間を大切に、自信を持ってこれからの人生を歩んでいってください。

Go, go, go in peace.
Be strong.
A mysterious hand will guide you.

皆さんがステージに立たれたハーディホールに刻まれている新島先生の言葉です。歌うこととともに、人生の折に触れて思い出してください。