さびしい魚のおはなし




海は鮮やかなブルーだった
波は心地よかった

島のように大きな海亀がいた
海鳥が低く飛んでいた
魚の群れには何度も出会った
しかし仲間と思える魚にはどこまで行っても出会わなかった
海底では歌う巻貝に出会った
「どうして歌っているの?」
と聞くと
「どうしてお前は泳いでいるんだ」
と愛想悪く言われた
魚はちょっとどきっとした
巻貝はまた歌いだした








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