みたび~信州大学混声合唱団

2009.12.11

高校時代「ワンダーフォーゲル部」であった私は、高校時代の夏休みのス タートは夏山遠征から始まったものでした。北アルプスを縦走して「松本」 に降りてくるルートが一般的でしたが、ゆっくりと銭湯に入った後で散策 した松本の町では「松本ボンボン」なる夏祭りのイベントが一生懸命PR されており、心地よい疲労の中に松本ボンボンのメロディーが連呼されて おりました。その影響かどうか、ワンダーフォーゲル部の同期7名のうち 3名が連続して(現役、一浪、二浪)信州大学に入学したのでしたが、京 都の一弱小クラブからの進学率としては異様に突出した感じで、皆で笑い 合っていたことを思い出します。(その前後にも母校から信州大学に進学 した者は見当たらないので)

他方で、信州大学混声合唱団の前の指揮者であった関屋先生は私の師匠で ある故福永先生と一緒に仲良く活動されていたことが長くあったと思いま すが、私の学生時代から「関屋さんというのはとても立派な人だよ」と言 っておられたことを思い出します。そう言えば関屋先生の死の少し前、晋 友会と京都エコーとのコンサートの合同練習会場を手配したのは私で、練 習前の控室に関屋先生を訪ね、いろんなお話しをさせてもらったものでした。

信州大学混声合唱団との直接の出会いは、その直前にあった「同志社グリ ークラブ」「信州大学グリークラブ」のジョイントコンサートではあった のですが、その以前に上記のような水脈が流れていたことは、それなりの 布石になっているようにも思います。

昨年に引き続き2年連続で客演させてもらった「信州大学混声合唱団」で すが、今年も「雨ニモマケズ(千原英喜)」を力いっぱい歌ってくれまし た。本当に学生らしい爽やかな頑張りと前向きの精神に満ち、私の指揮す る身体に絡みつき、私としても思ったとおりの音楽をさせてもらえたよう に思いました。こんなに楽しい経験が出来る場所はなかなかありません。 遠路来てくださった千原先生が「伊東さんの指揮、音楽作りと信州大学混 声合唱団の音楽や声やスタイルは凄く合っている」と繰り返し言っておら れたことが、何だかとても嬉しかったです。

そう言えば、昨年の幹事学年とはその後も京都でおいしいお酒を飲んだり もしました。昨年にも思ったことなのですが、何だかこの先も彼らの人生 の時々に再会し、「あ、お母さんになったの」とか「随分貫禄が出たねえ」 とか、そんな会話を交わせるような豊かな人間関係を結べたように思って います。少ない練習回数だったのですが、どうやら「こう歌え!」という 完成に向けた音楽の指導をしたというよりは、練習を通して様々な対話を していたようにも思うのです。とても良い体験をしました。信濃号からの 車窓の風景が早くも懐かしい気分です。