人との関わりを大切に
2008-1 2008.4.10
京都の町角からも子供の声が消えて久しくなりました。
懐かしい遊び歌はもちろん、子供同士がふざけ合う声すらも聞こえてきません。
子供の数も減り、遊び場(空き地や原っぱ)も見当たらなくなり、子供を取り巻く環境そのものが変わってきているのでしょう。しかしその一方で、学校教育の現場で取り沙汰されている諸問題の解決においても「地域力」の必要性が叫ばれてきております。「地蔵盆」にも代表されるように、京都という町は本来「地域ぐるみで子供を育てていく」という習慣の根付いていた町だったと思います。
私自身、現在は母校の学生支援課で業務をしています。
この度、その地域力の中に「学生」というキーワードを入れて、上京区の『町家』 を拠点にした活動を展開していくことになりました。(取組に文科省からの助成がおり、本格的にプロジェクトがスタートします)大学生が地域文化の担い手、地域社会の一員となって機能し、子供やお年寄りが入り混じって文化活動や地域活動に 取り組む企画を検討中です。
(詳細は大学ホームページを)
また、学生時代に「同志社グリークラブ」の指揮者として様々な経験をさせていただいたおかげで、現在も全国で指揮活動をしているのですが、最近はこのような子供事情を考え京都でジュニアの合唱活動を始めました。(『みやこ・キッズ・ハ ーモニー』と言います!)合唱は互いの「声を聴き合うこと」によって初めて成り立つ世界です。そして声は「心」そのものとも言えます。様々な年齢の子供たちが、 わらべ歌や遊び歌を通して『季節感』や『言葉の豊かさ』『生活の手触りを含めた 情感』を自ら育んでいくことを目指しています。
二つのことは密接に関わっているようにも思えます。この年齢になってジェネレーションを跨いで「伝えていくこと」「人と関わっていくこと」の重要性を痛感しています。社会に出るということは、「どのように他者と関わっていくか」 を考えるということではないかと思います。卒業生の皆さんに多くの人生との出会いが待ち受けていることを願います!
<同志社大学 OBから卒業生への便り>